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コンサル未経験でも”評価される”職務経歴書の書き方

転職ノウハウ

はじめに:「職務経歴書」で、ほぼ決まる。

未経験からコンサル転職を目指すなら、まず最初に勝負が決まるのが「職務経歴書」。

それは、あなたの“仮説力の証明書”であり、採用担当が最初に見る“思考の設計図”。

でも実際は、多くの人が「箇条書きの羅列」で終わってしまっている。

→「成果」だけが並び、「どう考えたか」「なぜそうしたか」が、まったく伝わってこない。

実は、コンサルに“伝わる”職務経歴書には「型」と「意図」がある

今回はその全貌を、構造ごとに深掘りします。

第1章:「成果」ではなく「思考」が評価される

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多くの人がやってしまいがちなのが、
「売上120%達成」「MVP表彰」など、成果だけを“ポンッ”と置いて終わる書き方。

でも、コンサル業界で本当に評価されるのは、
「どんな問いを立て、どう考え、どう動いたのか」というプロセス。

たとえば、あなたが営業職で数字を出した場合でも…


✅ NG例(成果だけを示す)

「法人営業で前年比120%の売上を達成」

→ この書き方では、「なぜ成果が出せたのか」「再現できるのか」が読み取れず、評価者の印象に残りません。

✅ OK例(思考と構造を示す)

「売上が伸び悩んでいた顧客に対し、『購買決定者との接点不足』がボトルネックと仮説設定。
決裁権者との面談機会を増やす施策として、業界別の課題レポートを独自に作成。
アポイント獲得率が向上し、3ヶ月で既存クライアントの受注単価を平均30%向上」

→ 課題設定→仮説→施策→結果のプロセスが明確で、思考の深さや再現性が伝わります。


つまり、コンサルが職務経歴書で見ているのは、
単なる「数字」ではなく、「どういう頭の使い方をしたか」という“構造”。

これは、営業だけでなく、企画・SE・バックオフィスなどどんな職種でも同じです。

例:バックオフィス職の場合

×「業務フローを改善し、作業時間を20%短縮」
〇「月末の支払業務における属人的な処理を可視化し、処理パターンを整理。
マニュアル整備+ワークフロー統一によって新人でも対応可能な仕組みに再設計」

求められているのは、「成果の裏側にある“再現可能な思考構造”」

だからこそ、職務経歴書には
「ロジックと思考プロセス」を丁寧に言語化することが不可欠です。


第2章:「伝わる経歴書」の構造はこの5点

未経験からのコンサル転職で大切なのは、
「すごさ」より「伝わりやすさ」

プロジェクトの規模や業界よりも、
“どんなふうに頭を使って動いたか”がロジカルに伝わる構造になっているかが重要です。


そこでおすすめしたいのが、以下の5点フォーマット
これだけで“論理” “貢献” “再現性”が一目で伝わる!

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【プロジェクト名・期間】

「営業フロー改善プロジェクト|2023年4月〜2023年10月」など
→「どの時期に、どんなテーマに取り組んだのか」がパッとわかるタイトルをつけましょう。

■ 背景・目的

「なぜそのプロジェクトが必要だったのか?」という“問いの出発点”です。

例)
「営業チームで商談数が伸び悩んでおり、属人的な対応による効率低下が課題となっていた」

■ 自身の役割

「チームの中で自分がどんな役割を担ったのか」を明確に伝えましょう。
職位ではなく、“どう動いたか”に注目です。

例)
「業務フローの現状整理と改善案の立案・実行を主導。
メンバー間のヒアリングや資料作成も担当」

■ 課題と施策

いちばん差がつくのがここ!
「どんな課題を設定し」「どんな手を打ったのか」を“思考の流れ”で表現しましょう。

例)
「ヒアリング結果から、非効率の主因は『提案資料の作成が属人化』している点だと仮説設定。
よく使われる提案パターンをテンプレ化し、資料のフォーマットを統一」

■ 結果・成果

定量的(数字)・定性的(状態変化)の両面から、変化を示しましょう。
数字が出しづらい場合は、“前後でなにがどう変わったか”でもOK!

例)
「導入2ヶ月で商談件数が平均1.3倍に増加。
新人メンバーの立ち上がりも早期化し、チーム全体の生産性が向上」

■ 学び・工夫

成果だけでなく、「どんな工夫が功を奏したか」や
「そこから何を学び、どう成長したか」を書くと、読み手に“あなたの変化”が伝わります。

例)
「初期の改善案は現場の共感を得られず。再度ヒアリングを実施し、納得感ある案にブラッシュアップ。
単なる業務効率化ではなく、メンバーが“使いたくなる”仕組みに落とし込む視点の重要性を学んだ」


Why this matters?

この構造に沿って書くことで、読み手はこう感じます。

  • この人は、問題発見→仮説立て→解決→検証、の一連の流れで動けるんだな
  • 成果だけじゃなく、頭を使って進めてるのがわかる
  • どんな職場でも同じように貢献してくれそう

表現力やボキャブラリーよりも大事なのは、
“読み手が評価したい観点で整理されているか”

だからこそ、この5点構造は、
未経験からでも「伝わる」職務経歴書を作るための、最強の武器になります。


第3章:「未経験者」だからこそ響く3要素

未経験からの転職では、「経験がないこと」が不利に思えるかもしれません。
でも実は、コンサル側が未経験者にこそ期待しているポイントが、しっかりあるんです。

その代表的な要素が、以下の3つ。


① 抽象化・構造化スキル

「なんとなくやっている業務」を言語化・標準化できる力。
これは、コンサルの「フレームで整理する力」と直結しています。

例:業務改革プロジェクト
バックオフィス部門で、申請業務が非効率との声が多発。
部署ごとに独自運用が根付き、属人性が高く、作業品質もバラバラ。

そこで、

  • 現場5部署にヒアリングし業務フローを可視化
  • 非効率ポイントを抽出(手戻り・重複作業など)
  • 手順・チェックリスト・承認ルートを標準化
  • マニュアル&テンプレを整備し、全社展開

結果、申請対応にかかる工数が30%削減
「現場の声をもとに、自分たちの業務を自分たちで改善した」体験として、納得感も得られた。


② 巻き込み・協業スキル

部署をまたぐプロジェクトや、社外との連携を主体的に進めた経験は、高く評価されます。

📌 例:システム導入に向けた部門横断PJ
業務改善のためのツール導入において、
営業・企画・情シスなど複数部門の意見を集約し、合意形成を主導。
要件定義〜トライアル導入までをリードし、結果的に月50時間の残業削減につながった。


③ 素直さ・学習姿勢

前例がないテーマにも粘り強く取り組む「試行錯誤力」は、
“地頭”よりもずっと重要です。

📌 例:MaaS業界の新規事業企画
業界知見ゼロの状態から、国内外のMaaS事例を徹底リサーチ。
技術動向・規制・競合比較などの視点で分析し、事業構想とPoC設計を実現。
地方自治体や大手物流会社など、10社以上とのアライアンスにも成功。

どれも、特別なスキルではありません。
でも、「考えて動いた」経験を、ロジカルに・言語化して伝えることができれば、
未経験でも“刺さる職務経歴書”になるんです。


第4章:NG構造と、やりがちな“もったいない書き方”

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職務経歴書で評価を落としてしまう人には、いくつか共通の“書きグセ”があります。

「経験はあるのに、なぜか刺さらない」——
そんな人は、下記のような“もったいない構造”になっていることが非常に多い。


❌ ① 「担当していました」だけで終わる

例:
「業務改善プロジェクトを担当していました。」

── これだけでは、自分が何を考え、どう貢献したのかが一切伝わらない。
「いたのはわかった。でも、何をしたの?」と突っ込まれて終わりです。

改善案:
「業務改善プロジェクトにおいて、業務ヒアリングの設計〜分析〜改善案の立案までをリード。現場の声を反映し、納得感の高い業務フローを再設計した」

→ “どの工程を担ったか”と、“どんな価値を出したか”が伝わる


❌ ② 抽象的な形容詞の多用

例:
「的確に対応しました」「丁寧に調整しました」「柔軟に対応しました」

── 一見“良さそう”に見えるけど、これは読み手の脳内に何も浮かばないワードの代表格。
評価者は“再現できそうか”を見ているため、抽象ワードだけでは納得できません。

改善案:
「急なスケジュール変更にも対応できるよう、関係部門と優先度をすり合わせ、3パターンのスケジュール案を事前に準備」

→ “何をどうしたか”が浮かぶと、行動のロジックが伝わる


❌ ③ ロールと成果だけで直結させる

例:
「チームリーダーとして進行管理を担当し、納期を1週間前倒しで達成」

── よくある記述ですが、間の“思考”がごっそり抜けています。
「どうやって巻き取ったの?」「どんな判断をしたの?」がないと、評価者は再現性を読み取れません。

改善案:
「各担当者の進捗を見える化するダッシュボードを設計し、ボトルネックの早期発見とタスク分担の調整を実施。結果として、納期を1週間前倒しで達成」

→ “どんな工夫や意思決定があったのか”が筋立てて伝わる

第5章:未経験からでも“刺さる職務経歴書”の実例

最後に、未経験からでも高評価につながる“実例の書き方”を紹介します。

コンサルの選考では、成果そのものよりも「なにを考え、どう動いたか」が評価されます。そのため、「成果だけ語る」のではなく、「背景 → 自分の役割 → 課題設定とアクション → 成果 → 学び」といった“5点セット”で伝えることが重要です。

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まとめ:職務経歴書は、あなたの“仮説力の証明書”

「未経験だから書くことがない」と思っていないだろうか?
でも、コンサルに限らず、知的労働において評価されるのは「成果」ではなく、“考えたプロセス”だ。

職務経歴書は、あなたの思考を可視化する“戦略ドキュメント”。
正解はない。けれど、伝える「型」はある。

経験の華やかさではなく、思考の筋道で勝負する。
それこそが、未経験からでもコンサルに届く、職務経歴書の本質。

だからこそ、
「何をしたか」ではなく、「なぜそうしたか」「どう考えたか」を書こう。

その“仮説力”が伝われば、職務経歴書は、あなたを語る最強の武器になる。

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